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津地方裁判所宇治山田支部 事件番号不詳〔1〕 判決

主文

被告人〓本安太郎を懲役壱年六月及罰金五万円に同福成神次を懲役八月に処する。

未決勾留日数中被告人〓本に対しては三十日を同福成に対しては五十日を夫々右本刑に算入する。

被告人宮城文直を懲役壱年及罰金五万円に同梅木清、上原栄吉を各懲役八月に同辻本定秀、寺田熊一、近藤文雄、今村勝喜を各懲役六月に処する。

以上被告人宮城文直、梅木清、上原栄吉、〓本定秀、寺田熊一、近藤文雄、今村勝喜に対し各参年間右懲役刑の執行を猶予する。

被告人〓本安太郎、宮城文直の前記罰金に付完納できないときは一日弐百円の割で労役場に留置する。

押収の検証第六七号(第二黒潮丸其附属具共)第一乃至十九号(但第十四号を除く)第七六号及第六八号乃至七五号各物件は被告人宮城文直、梅木清以外の被告人等全部に付同第十四号物件は被告人上原栄吉に付各没収する。

訴訟費用は各被告人の国選弁護に関するものは関係各被告人等の負担とし、其余は全部宮城、梅木以外の被告人等の連帯負担とする。

理由

第一、(一)被告人〓本安太郎、福成神次、〓本定秀、寺田熊一、近藤文雄、今村勝喜、上原栄吉等は所定の税関免許を受けないで沖縄との密貿易に付て先ず被告人〓本安太郎に於て昭和二十五年八月頃から之を計画し三重県志摩郡浜島町で機船第二くろしほ丸(五一、六二屯)を傭船し且乗組船員を集める外先方向物資木材其他を調達し次に福成神次は同二十六年三月頃自らは其機会を利用し配下と共に香港へ渡航せん為め右に参画し資金其他を提供して協力し更に其余の被告人等は前記被告人両名に附和し被告人〓本定秀、寺田熊一、今村勝喜及相被告人公文藤重は右被告人〓本安太郎の求めで又被告人上原栄吉、近藤文雄及相被告人四谷万蔵は右被告人福成神次の求めに依つて夫々知情の上船員等として乗組みを承諾し依て茲に全員共謀で同二十六年六月二十日頃迄に前記浜島町に参集し協力し愈々其出航準備に取り掛り同年七月三日頃前記機船に其積荷の大部分別紙目録第一の物件を積込み続いて右積荷等一切を完了し数日中同地を出航することにし其実行に着手したが其間際の同年七月五日発覚し検挙となり其の目的を遂げなかつた。

(二)被告人上原栄吉は前記(一)の計劃に便乗し同様税関免許を受けないで自身も同様沖縄への密輸出の目的で同年六月二十二日頃別紙目録第二の物件を右第二くろしほ丸に積込み同様実行に着手したが同様の事情で其目的を遂げなかつた。

第二、被告人〓本安太郎、宮城文直、梅木清等は同様沖縄との密貿易に付被告人〓本安太郎、宮城文直は其事業主、被告人梅木清は自己所有の機帆船すみよし丸(四〇屯位)を提供し且自ら船長として乗組み其輸送を引受け依て共謀の上

(一)昭和二十五年四月上旬頃右船に大阪市尻無川口で製材機棒鋼約二屯、高知港にて木材約百五十石、竹竿千本位を積込んだ上出航し同月十七、八日頃目的地沖縄本島奥港に到着し該貨物を陸揚し

(二)同年五月上旬頃右奥港から該船に真鍮屑銅屑等十七屯位を積載して出港した上同月中旬頃大阪市安治川口に到着し同所で右貨物を陸揚し

以上各密輸出入を遂げ

たものである。

(証拠説明省略)

法律に照すに被告人等の判示所為中

第一(一)及(二)は孰れも各関税法第七十六条第二項第一項刑法第六十条に該当し次に第二(一)(二)は右関税法同条第一項刑法第六十条に該当するが右第二(一)に付ては犯罪後法の改正で刑の変更があるので刑法第六条第十条に依て軽い改正前の刑に従い以上に付て(甲)被告人〓本安太郎、宮城文直に付ては情状に依て懲役、罰金を併科することとし(乙)其余の被告人等に付ては夫々懲役刑を選択し尚右(甲)被告人二名及(乙)被告人中上原栄吉、梅木清の所為は孰れも併合罪に付懲役刑に付ては刑法第四十五条第四十七条第十条に依て各重いと認める被告人上原は判示第一、(一)他は判示第二(二)の罪の刑に法定の加重を為し外に右(甲)被告人二名の罰金に付ては同法第四十八条に依て各罪の罰金合算額以下とし以上に依て被告人〓本安太郎を懲役壱年六月及罰金五万円に同福成神次を懲役八月に同宮城文直を懲役壱年及罰金五万円に同梅木清、上原栄吉を各懲役八月に同辻本定秀、寺田熊一、近藤文雄、今村勝喜を各懲役六月に処し但右の内被告人宮城文直、梅木清、上原栄吉、〓本定秀、寺田熊一、近藤文雄、今村勝喜に付ては情状に依て刑法第二十五条を適用し各参年間其懲役刑の執行を猶予し尚被告人〓本安太郎、福成神次に付各刑法第二十一条に依り未決勾留日数中〓本には三十日、福成には五十日を夫々右懲役刑に算入し更に被告人〓本安太郎、宮城文直の罰金不完納の場合に付刑法第十八条に依て一日弐百円の割で労役場に留置することとし次に主文掲記の押収物件は判示第一(一)(二)の犯罪に係るもの若くは供用の船等に付関税法第八十三条に依て孰れも没収し訴訟費用に付ては刑事訴訟法第百八十一条第一項第百八十二条に依て国選弁護に関するものは関係各被告人等の負担、其余は全部被告人宮城文直、梅木清以外の被告人等の連帯負担とする。

仍て主文の通り判決する。

(物件目録省略)

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